その中で、一つだけ、ちょっと珍しい名札を発見しました。Marlinです。フランスでは、マカジキもしくはクロカジキのことはMakaireと呼ぶと思っていたのですが、英語名であるMarlinも通じるようですね。早速図鑑を修正しました。2002年6月29日 土曜日 やわらかい魚
あゆみが食べられる魚探し
今週末からあゆみの歯の矯正治療が始まりました。フランスは矯正先進国。フランス人にとって歯並びの矯正は、子供のときに必ず通る道のようですが、あゆみには苦痛です。当然矯正装置の入った１日目は痛くて何も食べられません。
「パパ、今日はあゆみが固いものは駄目だから、やわらかい魚買ってきてね。」
「やわらかいの？ じゃあ煮付けだね。 Rascasseでいいんじゃない。」
「そうね。それでいいわ。」
という家内の発注を受けて、ベルサイユに到着です。
まずは魚や廻り。今週は特に珍しいものは出ていませんでした。魚の種類も少なく、夏を感じさせる状況でした。
ただ、フィレや切り身のコーナーを覗いてみると、丸物では売っていない多くの魚がありました。例えば、キンメダイ（Beryx）、ヒウチダイ（Empereur）、うなぎ型のタラ（Lingue/Julienne）、太刀魚（Sabre）、ソコダラ（Grenadier）などです。パリでは、こういう形でしか売らない魚も多いので、切り身のコーナーも要注意ですね。
その中で、一つだけ、ちょっと珍しい名札を発見しました。Marlinです。フランスでは、マカジキもしくはクロカジキのことはMakaireと呼ぶと思っていたのですが、英語名であるMarlinも通じるようですね。早速図鑑を修正しました。
クロカジキは美味しいといわれていますので、一度食べてみたいですね。
さて、あゆみの魚ですが、まずは煮魚で悩みます。Rascasseが一番良いと思うのですが、Rascasseの良いものがあまり店頭に出ていなかったのです。その代わり、ナメタガレイ（Limande sole）の美味しそうなものが出ています。どちらにしようか悩んだので、自宅に電話します。
「あゆみ、何が食べたい？」
「ネギトロかアジのタタキ。それ以外食べられないよ。」
「え？煮魚なら食べられるでしょう。カレイとRascasse、どっちがいい？」
「どっちでもいいけど、Rascasseかなあ」
「じゃあ、Rascasse買うね。それと、ネギトロとアジのタタキがあればいいんだね。」
「うん。トロが無かったら、ネギマグロでもいいよ。」
ということで、Rascasseを買うことにしました。煮魚用ですので、少しくらい鮮度が悪くても良いことにしました。もともと大型のRascasseの多くは冷凍品なので、それほど鮮度を気にする必要は無いでしょう。
次に、トロを探してみると、ちょうど良いサイズのトロが売っていましたので、これを購入します。
最後に悩んだのがアジのタタキです。アジは、一軒の店で、鮮度の良い３０cmクラスのアジが売っていたのですが、ちょっと大きすぎる気がします。欧州のアジは日本のアジに比べて脂が多いので、あまり大きいサイズだと、脂っぽくなってしまうのです。
そこで今日は、鮮度の良いマメアジを買って、それでたたきを作ることにしました。
写真の量で500ｇですから、本当に小さいマメアジです。時間があれば、もう少したくさん買って、アジの南蛮漬けも作りたかったのですが、今週はバーゲン最初の週末ですから、土日の大半は運転手として借り出されそうで、とてもゆっくり料理をしている暇は無さそうです。
ということで、南蛮漬けは諦め、刺身・たたき用にアジを500ｇだけ購入しました。
以上で今週の購入は終りです。
土曜の料理は大成功
Rascasseは下ごしらえをして、家内に「秘伝のタレ」（笑）で煮付けをお願いします。これは当然ながら美味しいやわらかい煮付けになりました。
Rascasseの煮付けの場合、煮凝りが楽しめないのは残念ですが、煮つけの味だけを考えると、カレイより上かも知れません。キンキの煮つけを思い出させる味です。
トロは、予定通りネギトロにしました。かなりの量のトロがあったので、沢山できました。皮に着いている油をある程度絞って入れたので、ネギトロらしくなりました。
ただ、全部ネギトロにしてしまうのはちょっと勿体無かったので、少しだけ刺身にすることにしました。私と家内用です。
アジは、写真の２０匹ほどのアジを全て三枚に下ろし、腹骨を取り、皮をむいて刺身状態にする作業から開始しました。で、そこから先は、あゆみが自分で作りました。
ただ、残念なことに、シソが寿命になって枯れてしまったので、今日はシソの葉がありません。仕方ないので、代わりに刻みネギを加え、生姜のすりおろしたものを加えます。これもかなりの量ができました。
以上で、土曜日の夕食のおかずは完成です。ネギトロも、アジのたたきもとても美味しく、脂の乗りもちょうど良い感じでした。ただ、アジのタタキの方は、ネギをちょっと入れすぎた上に、そのネギがちょっと辛かったので、ネギを避けながら食べる羽目になりました。
日曜は残り物
さて、日曜の夕食用には特に魚を買いませんでしたが、昨日のネギトロとアジのタタキが残っています。そこで、アジのタタキに味噌を混ぜて「なめろう」にした上で、これを焼いて「さんが」にしました。こちら風に言えば、アジのタタキのハンバーグですね。（写真左）
ネギトロはそのまま、塩コショウで味付けをして焼いて、ネギトロハンバーグにしました。（写真右）
両方とも、結構美味しかったですよ。特にさんがは久しぶりに食べたのですが、やっぱり美味しかったです。
さて、来週のメニューはあゆみさんの歯の調子次第です。何が食べられるかなあ・・・・
ではでは。