2002年8月24日 土曜日 ブイヤベース≠Soupe de poisson  

魚スープとは?

今週は、先週釣ったベラを食べなくてはなりません。ベラといえば、Soupe de poisson の材料として使われる魚です。そこで、Soupe de poissonを作ってみようと思い立ちますが、なかなか作り方の情報が見つかりません。私が作りたいのは、南仏風のどろどろの具が入っていないスープなのですが、Soupe de poissonとしてHPに載っているのは、ほとんどがブイヤベースのように具がはっきりしているものなのです。

唯一見つかったのが、以下のページのスープです。

http://www.donc-t-s.net/bonvivant/recettes/soupes/1.htm

とりあえず、これを参考に作ろうかなと思っていたのですが・・・金曜夜、家内が突然言います。

「今週末ブイヤベースを作りたいから、魚屋さんで魚買ってきてくれる?」

「え? Soupe de poissonを作ろうと思ってたんだけど。」

「おんなじ様なものでしょ。白身魚買ってきて。」

「先週釣ったベラを使わないと。」

「ああ、じゃあ魚はあれでいいわ。じゃあ、ムールちょっとだけ買ってきて。」

「僕が作りたいのは、どろどろした具の無いタイプの奴なんだけど。」

「え? あれって作るの難しいらしいよ。もっと簡単に作れるから。」

といって家内が取り出したのは、日本から買ってきたというブイヤベースの素(ハウス、ふらんす厨房)というやつです。結局家内に負けて、このブイヤベースを作ることになりました。

魚屋はまだ夏休み

さて、今週のベルサイユも、魚屋は5軒のうち2軒は夏休み中でした。ただ、先週開店した私の大好きな店は開いていますので、まずそこに行きます。

「あゆみ、今日の夕食はスープなんだけど、日曜の夕食は何が食べたい?」

「トロか鯛の霜皮つくりが食べたい。」

「トロ売ってるよ。」

「あのトロ、いまいちだね。タイにする。」

ということで、一キロのタイ(Dorade Royale)を買います。店員さんが「ビデをするか?」と聞くので、「エカイユだけしてくれ」とお願いします。こういうと、鱗だけを取ってくれて、内臓は入れておいてくれます。内臓は魚の新鮮さを見る最も重要なアイテムですので、取ってしまわれては困るのです。

さて、次に目に入ったのが、前から一度食べて見たいと思っていた、活きているLangoustineです。活きているからには、きっと生で食べられるはずです。

「あゆみ、Langoustine買ってみようか。生で食べられると思うんだ。」

「うん、買って。」

「あゆみ、店員さんに、生で食べられますか?って聞いてよ。」

「え〜、"cru"の発音が難しいから、やだ。」

「そうなの? じゃあ、まあいいや、3匹でいい?」

「一人二匹にしよ。6匹買って。」

ということで、活きているLangoustineを6匹買いました。21ユーロでしたので、1匹3.5ユーロですね。高いなあ!!

ブイヤベース用の材料

さて、残るはブイヤベースの材料です。まず魚はベラがあるので、基本的には必要ないのですが、一応具になりそうな白身ということで、Mérouの切り身を買います。 このMérouの切り身、味噌漬けも作ってみたくなったので、少し多めに買います。

Mérou(ハタ)の味噌漬けを思い立ったので、ついでにメカジキ(Espadon)の切り身も買ってみることにしました。メカジキは通常はバター焼きなどで食べるのですが、味噌漬けで食べてみることにします。

写真で、左側がメカジキ、右側がMérouです。

カニの仲間のÉtrilleもスープの材料としては定番なので欲しかったのですが、今日はどの魚屋でも売っていませんでした。仕方が無いので、代わりにエビを買うことにします。今日は生のエビで売っていたのは大型のGambasだけでした。このGambasを2匹買います。2匹で10ユーロですから、これも高いエビです。

最後にムールを1リットルだけ買っておしまいにしました。本当はスープ用に他の貝も欲しかったのですが、今日はあまり良い貝が売られていませんでした。

Langoustineの刺身

さて、まずは土曜日の昼食に、Langoustineの刺身を食べることにしました。手で皮をむいて、尾の身を取り出します。

頭の中には味噌もたっぷりあったのですが、これが生で食べられるかどうかはちょっと疑問だったので、スープの具にまわす事にしました。頭と両手もスープの方に使うことにします。

Langoustineの刺身は、すごく甘くて、アマエビのようでした。これは食べる価値があります。値段は高いのですが、また買ってみたいですね。

ベラは4種12匹

次に、先週釣ってきたベラ(Labre)を冷凍庫から取り出して解凍します。

結局ベラは二日間で12匹釣ったようです。写真には13匹の魚がいますが、うち1匹はタラの仲間のTacaudです。ベラは全部で4種類のようですが、よく分かりませんでした。

このうち緑の1匹は、学名Centrolabrus truttaという種のようです。日本でもキュウセンの雄などは緑色になりますが、ここまで緑色の魚はいませんので、ちょっと珍しいですね。

ベラは、鱗と鰓腸を取って、下ごしらえをし、スープの中で煮た後で取り出し、身だけをほぐして鍋に戻しました。これがスープの美味しいだしになりました。

スープには、結局具として、Langoustine、Gambas、メカジキ、ハタ、ムール、ベラ、イカ、マッシュルームが入って、具沢山の豪華なスープになりました。味はもちろん「ハウス製」ですからgoodです(笑)。とても美味しいスープでした。

ただ、ハウスのブイヤベースの素の箱の裏には、白身魚の例として「メカジキ」があげてあるのですが、メカジキはパサパサとしていて、スープの具としてはいまいちの感じでした。ハタの方はすごく美味しい具になりました。

味噌漬け焼き

さて、メカジキとハタは味噌漬け焼きにもする予定です。味噌漬け焼きは、漬けて24時間後くらいが食べ頃なので、日曜の夕食に食べるために土曜日に作っておきます。

味噌漬けの味噌は、白味噌に醤油、みりん、酒、砂糖などを混ぜて作ります。私は味噌300gに醤油、みりん、だし、酒、砂糖を30〜50cc程度ずつ適当に混ぜて作りました。

結果的にはメカジキもハタも美味しい味噌漬けになりましたが、私はハタの方が好みでした。娘や家内はどちらも美味しいといっていましたが、味噌漬け焼きにはハタの方があうと思います。

溝漬け焼きを食べると食べたくなるのが粕漬けですね。どこかに酒粕は売ってないかなあ・・・・

最後にタイは予定通り霜皮造りとお刺身になりました。このサイズのタイは脂が乗っていて、刺身よりも霜皮造りの方が美味しいようです。

残りの半身は、味噌漬けにしてみました。ということで、鯛の味噌漬けの報告は次回の日誌になります。

今週は水曜にパーティがあるので、簡単な刺身を作る予定です。写真に撮るのを忘れなければよいのですが・・・・

ではでは。