魚情報 その8

魚屋さん紹介

パリの魚屋さん

パリには昔はあまり魚屋さんが無かったようですが、今はたくさんの魚屋さんがあります。スーパーも大きな店には必ず魚屋があります。また、マルシェには必ず何件かの魚屋があります。

これらの魚やを日本の魚屋と比べると、丸物(1匹単位で売るもの)は圧倒的にパリの方が品種が多いのに驚きます。日本の魚屋の場合、特にスーパーなどでは売り場の半分近くが刺身売り場で、丸物は殆ど無いということもありますが、パリの魚屋には刺身売り場がない分、丸物の比率が高くなっています。

品質は、残念ながら、日本の魚屋の方が圧倒的に良いようです。もちろん、パリでも新鮮な魚が手に入る店はありますが、日本の魚屋のように、安定的に、刺身が可能な魚を手に入れるのは難しいようです。

不思議なのは、フランスの場合、港町の魚屋に行っても、売っている魚の種類があまり変わらないことです。日本の場合、港町の魚市場周辺の魚屋には、その地域で獲れる雑魚がたくさん売っているのですが、フランスの場合、ブルターニュやノルマンディの魚屋に行っても、売っている魚の種類が変わりません。不思議ですね。

もう一つの不思議は、スーパーの魚屋とマルシェの魚屋の種類の差です。一般にマルシェの魚屋の方が種類も多く新鮮なのですが、なぜかスーパーには売っているのに、マルシェにはあまり売っていない魚があります。例えば、Coq rouge(ユカタハタ)などがその典型で、カルフールやモノプリの魚屋には必ずあるのに、マルシェで見ることがありません。仕入経路が違うのでしょうか。

ベルサイユの市場

私が一番良く行く魚屋は、ベルサイユのマルシェの中にある魚屋です。ここは常設の魚屋が5軒あり、この5軒を廻れば新鮮な刺身にできる魚が必ずいくつかは手に入ります。

場所は上の地図のピンク色の部分で、地下に駐車場があるので、車を停めるのに困ることもありません。駐車料金はパリ市内の半額です。

ここの広場は日曜には市が立ち、広場中が八百屋や肉屋で埋まります。この市もとても新鮮でよいのですが、魚屋は常設で、広場を囲む建物の中にあります。魚を買うなら、市は立たないものの、日曜より土曜の朝行った方が良いようです。

建物の中には、図のように5つの魚屋エリアがあります。(図は上が北です)

図でピンク色で示されているのが魚屋、紫色はカキ屋、エビ屋などです。

私が最も気にいってよく使うのは、Bのエリアにある魚屋で、種類も量も多く、新鮮なものが多いように思います。向かい側には海老屋、カニ・貝屋があって、魚介類なら何でもそろいます。

この店の左隣の惣菜やさんのサーモンも良い品質ですし、さらにその隣のお店のカキも良いようです。このカキ屋さんは、注文すればカキの殻をあけ、ウニを並べてカキ盛り合わせを作ってくれます。

Aはあまり買ったことがありませんが、Thonの良いものが時々出ています。(腹身が出ていることも多いようです。)また、珍しく、雑魚が売られていることもあります。但し、Bに比べると入荷量が少ないようです。

Cは小売が多い店で、少量買いたいときに重宝することがあります。右端にはカキ専門店があり、ここのカキの品揃えは抜群です。秋から冬にかけては、ホタテの貝剥き専門のおじさんがいて、どんどんホタテを剥いています。

Dはいつも人がたくさん並んでいる人気の魚屋で、種類は少ないのですが、安くてよいものが出ているようです。あまりにいつも人がたくさん並んでいるので、この店で買ったことがありません。

貝類やカニが充実しており、生きたカニやオマールエビなどを水槽で飼育して販売しています。

Eは高級魚屋といった感じで、サイズの大きいものや珍しい魚が出ています。値段は少し高い気もしますが、見栄えの良い魚が欲しいときは、この、店も良いかもしれません。ハガツオもここにしか売っていませんでした。

いずれにせよ、良いものを手に入れるには、時間を惜しまず、よく見て廻ることです。それぞれの店に得意不得意がありますが、やはり日によってその状況は大きく変わります。良いものを見つけたら、速攻で買うのもポイントです。

Auteuilのマルシェ

我が家が16区のAuteuil(下の地図のちょうど真ん中あたり)にあるので、Auteuil地区のマルシェにも良く行きます。

Auteuil近辺では、二つのマルシェが立ちます。地下鉄のMichel-Ange Auteuilの駅のすぐ上に出るマルシェは、水曜と土曜で、魚屋が二軒あります。カルフールの前に出るマルシェは火曜と金曜で、魚屋が三〜四軒あります。(下地図参照。ピンク部分)

このうち、私がよく行くのはMichel-Ange Auteuil駅前のマルシェです。ここの2軒の魚屋は、品種は少ないものの、わりと新鮮で良い物を扱っていることが多いようです。片側はアジやイワシの活きの良いものが入っていることが多く、もう一軒はThonの質や鯛の質が良いようです。この2軒のうち一軒は、前に書いたベルサイユのBのお店と同じ店員さんがいるので、多分同じ系列の店なのでしょう。

Ponceletのマルシェの魚屋

私の職場の近くのテルネ広場の西、rue Ponceletとrue Bayenにも常設の魚屋があります。

ここは昔から日本人が多く、魚屋の歴史も古いところで、三軒の魚屋のうち真ん中の一軒(下の写真参照)は、14区等にも支店を持つ有名な魚屋です。

確かに、品揃えも品質もかなり良く、季節物の入荷も良いようです。丸のままのエイが売っていたりと、目を引く売り物もあります。

他の二軒は小さな魚屋ですが、それぞれ得意分野を持っているようで、品揃えが三軒とも違うので楽しめます。

なお、この付近は、モノプリ、フナック、ダーティ、GAPなど、食品から生活用品まで色々な店が集まっており、買い物にすごく便利な場所です。

Carrefourの魚売り場

我が家のそばのCarrefourにも魚屋があります。スーパーの魚屋としては新鮮なものが多く、人気があるようです。確かに、毎日何かのpromotionをしていて、その魚が大量に入荷しており安く手に入ります。特にエビが安いようです。

我が家がここで買うのは、マグロ(Thon)とウナギです。特に、Thonは、マルシェよりもこういった大型スーパーの方が量が出るので、大型の魚を入荷していることが多く、切りたての美味しいものを手に入れやすいのです。まず店を訪れたら、最初に魚屋の様子を見に行きます。Thonの切り身の残りが少なく、かつ尾の方になっていたらチャンスです。店内で買い物をしている間に、新しい魚の輪切りがどっと出ることがあります。その時には大トロも出ます。すかさず買いましょう(笑)。

ウニや貝などは、どうしてもマルシェより鮮度が落ちますが、値段は安いので、鮮度のいいものがあったときはお買い得です。

Castagnaryの魚市場

15区の一番東端のCastagnary通りに、Fete de la Marという、魚市場ががあります。ここはマルシェではなく、常設(といっても、オープンは金曜〜日曜だけ)の魚売り場で、ブルターニュから直送で魚が入るので、新鮮な魚を売っているので有名です。

営業は金曜と土曜の終日(9:00〜19:00、但し1:00〜3:30は昼休み)と、日曜の午前中ですが、やはり新鮮な魚がたくさん入っているのは金曜日でしょう。Castagnary通りは南からの一方通行ですので、車で入る場合は南側から進入しますが、建物の南端には灯台のオブジェもあり、発見は簡単です。駐車場は無いようなので、近くの路上に止める必要がありそうです。メトロで行く場合は13号線のPlaisanceで降りるのが近いでしょう。

ここは店全体が大きな魚屋のようなシステムになっており、マグロコーナー、エビコーナー、タイコーナーなど、魚種別に幾つかの売り場に分かれています。マグロは良く売れるのでしょう、かなり大型のものが入荷していました。

ここで魚を買いたい人は、まずそれぞれのコーナーに行って、魚を注文します。すると、店員さんが魚を袋に入れた後で、値段を書いた紙をくれます(魚はまだくれません)。必要な買い物を必要な全てのコーナーで注文し終わったら、その値段の書いた紙を持って二階に上がり、お金を払います。すると、半券を返してくれるので、それをもって先ほど買ったコーナーに行って、お魚をもらうというシステムです。

なお、魚の加工(フィレや、ホタテの貝出し)などが必要な場合は、品物を受け取った後に、店の一番奥にある処理場に持っていき、そこで魚の処理をしてもらうことができます。

鮮度は確かに良いものが多く、値段も色々な種類の魚を安売りしているので、結構安いようです。

ただ、魚の種類はそれほど多くなく、魚種を求めるなら、やはりベルサイユでしょう。駐車場も無いので、周辺の路上に駐車することが必要です。

(このページは、徐々に追加していく予定です。)

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