魚情報 その4
フランスでの海釣り
フランスでの釣り
フランスは釣り先進国
フランスには釣り好きが多いそうです。ある本によると、8人に一人が釣りマニアだとか。しかし、フランスの釣りの中心は、圧倒的に淡水の釣りなのです。海釣りに比べ、淡水の釣りは簡単で釣り易いのがその理由でしょうか。
確かに国土が四角いフランスでは、海に近い住民はわずかで、多くの人は川の側に住んでいます。ですから、淡水の釣りが主体なのも当然かもしれません。釣りの解説書も淡水のものが圧倒的に多く、海釣りはマイナーな釣りのようです。
しかし、淡水の釣りの場合、日本と同じく漁業権が厳しく定められており、決められた漁期に、決められた許可証を持つ人しか釣ることができません。パリ市内のセーヌ川やブローニュの森の池にもちゃんと漁業権が設定されています。
監視員も結構多いようで、見つかると、すぐに追い出されてしまうそうです。なかなか厳しいですね。
パリの釣具屋
パリの釣具屋はどこにあるのでしょう。私が見つけたものは小さい物ばかりで、日本の上州屋のような大型釣具店というのを見たことがありません。大きな釣具屋がどこかにあるのかな?
但し、夏のバカンス前になると、DECATHLONの釣り具コーナーなどが急激に拡張され、釣り具が充実します。やはり釣りは夏のバカンスの一アイテムなのですね。ですから、夏のバカンスでは、釣り具探しに困ることはありません。
あと、釣り具専門の通信販売雑誌が売られており、これを見て注文することはできるようです。釣り具のカタログなので、見ているだけでも楽しいですよ。
但し、日本と同じ釣り具が売っているわけではありません。こちら独特のものが多く、日本と同じ物は半数程度です。ただ、日本と同じ物については、日本の釣り具が輸入されており、かなり広く流通しているようです。
なお、パリ市内の釣具屋では、海釣り用の活き餌を見つけたことがありません。これもどなたかご存知の方、お教えください。
海釣りに行こう
海釣りのルール
免許や許可が必要な淡水釣りに比べ、海釣りは特に許可が必要なく、一年中いつでも釣ることができるので、私には好都合です。
但し、海釣りには許可が必要ない代わりに、小型のものをリリースする義務があります。この義務はアマチュアにもプロ(漁師)にも、陸釣りにも船釣りにも共通に課せられるので、そのサイズはなかなか厳しいものがあります。下に表を載せましたが、大西洋側は、さらに北部、海峡部、大西洋部の三ヶ所に分かれています。
これらの規制は、たとえば、スズキ38cm、アナゴ58 cm、サバ30cm、カレイ25 cm、シタビラメ24 cm、ヒラメ30 cmとなっており、陸からの釣りでこれを超える魚を釣るのはなかなか難しい数字となっています。
違反すると、罰金は3000F〜15000F(ユーロが導入されると、500eur〜2500eur位になりそうですね)だそうです。
魚名 大西洋 地中海 魚名 大西洋 地中海 Alose 30cm Maquereau espagnol 15cm Anchois 9cm Marbre 12cm Anguill 45g Merlan 27cm Bar 36cm 25cm Merou 45cm Bar mouchers 30cm Merlu 30cm 20cm Barbue 30cm Morue 35cm Cardine franche 25cm Mulet 20cm 20cm Carrelet 25cm Ombrine cotiere 30cm Congre 58cm Pageot 12cm 12cm Dorade-Grise 23cm Pagre 20cm Dorade-Royale 19cm 20cm Plie 25cm 12cm Espadon 120cm Plie cynoglosse 28cm Hareng 20cm Raie bouclee 36cm Lamproie 27cm Rouget-barbet 15cm 12cm Lieu jaune 30cm 30cm Sar 15cm Lieu noir 35cm Sardine 12cm Limande 15cm Saumon 50cm Limande sole 25cm Sole 24cm 20cm Lingue 63cm Truite de mer 25cm Maigre 45cm Turbot 30cm Maquereau 30cm 22cm Vielle 12cm
餌の入手
餌やさんは港町には必ずあります。図鑑の参考資料で紹介している"Le Pecheur de France" Hors-serie mer 2001 / Le Pecheurには、各港の釣具屋リストがあり、大変重宝します。これらの釣具屋には日本と同じような餌が売っています。
但し、こちらにはオキアミ系の餌はなく、イソメだけです。写真の3種類のイソメを発見しました。箱入りのものは赤い方がまさに青イソメです。箱にもASIAからの輸入と書いてありましたので、日本と同じ韓国か中国からの輸入ものでしょう。緑の方が現地産で、アオコガネに近い柔らかさです。
この二つの餌は、ブルターニュでも、ノルマンディでも、全く同じ箱に入って販売されていましたので、餌の販売は大きな流通網があるのでしょう。
新聞紙に包まれたものは、イソメとユムシの中間のような虫で、いつも売っているわけではなく、入荷したときだけ小分けして売っているようでした。値段は300円から500円ですが、内容量が少ないので、結果的に日本と同じ程度の価格と言えるでしょう。
なお、フランスの釣り餌は魚屋でも買うことができます。サバ、アサリ、仔エビなどです。釣りに向いた夏に店頭に良く出ているLançonやÉperlanも良い餌だと思われます。
場所の決定
フランスには、日本の「釣り場案内」のような本がほとんどありません。川釣りの本は沢山あるのですが、海釣りの釣り場は自分で開拓するもののようです。
フランスの海は干満の差が大きく、水深が5メートル以上変化するので、小さな港や堤防では、全く釣りになりません。何しろ干潮時には湾内が完全に干上がってしまい、船は全て海底に横たわるのです。
また、崖の場所が多く、堤防が少ないのも釣り場探しを困難にしています。
フランスでの釣り場探しに欠かせないのが、Institut Geographique NationalのTOP25 またはSerie Bleueと呼ばれる25000分の一の地図です。この地図は、縮尺が大きく、海岸線の様子がわかりやすいことに加え、干潮時の海岸線、平均水深、海岸部の堤防まで記載されており、釣り場選定には欠かせない地図です。
この地図で目星を付けたら・・・・後は行ってみて釣るしかないですね。
フランスでの釣り日誌