Maigre イシモチ スズキ目ニベ科 春から夏中心(春?)
価格帯:15-30eur/kg

イシモチは日本の魚屋ではあまり一般的な魚ではありませんが、釣りの世界では投げ釣りの対象魚としてキスと並ぶ重要な魚です。その名前の由来は大型の耳石を持っているからですが、実は標準和名として「イシモチ」という名の魚はおらず、魚屋で「イシモチ」として売っているのは、多くの場合「シログチ」か「ニベ(クログチ)」です。

しかし、パリで売っているMaigreは、このどちらでもなく、日本で「オオニベ」と呼ばれている仲間です。この種のイシモチは、全長2メートル、体重90キロにも達することがあり、日本では水族館などでしか見ることはありません。パリでは春から夏にかけて、この魚が店頭に出ています。

まれにMaigreがAiglebarの名前で売られていることがあります。鷹のように大きなbarという意味でしょうか。外見もbarに似ているので、同じ扱いがされているようです。パリで売られているMaigreは、サイズが大きく、一般家庭で消費するのは困難なので、まだ買ったことがありませんが、イシモチと同様の白身の魚だと思われるので、刺身や塩焼きで食べることが出来るのではないでしょうか。ジュネーブでは、小型のMaigreも売られています。少し色黒なのですが、その理由はわかりません。

なお、これ以外に、日本の「ニベ(クログチ)」に似たOmbrineと、色が黒くひれの大きいCorbが市場に流通しており、フランス料理の高級食材となっているようです。Ombrineは、3月に稀にbar françaisなどの名前で店頭に出ているのを見たことがあります。日本のイシモチにそっくりです。

なお、釣りの世界では、日本と同サイズのイシモチが良く釣られるようです。このイシモチの種類については、今のところ不明です。

仏語名 英語名 日本名 学名 分布 コメント
Aiglebar Meagre (オオニベ)     秋に出回る。大きいMaigreをこう呼ぶようだ。
Corb Croaker いイシモチ) Sciaena umbra 地中海 岩礁帯に住むイシモチの仲間。最大75センチ。
Maigre Meagre (オオニベ) Argyosomus regius 北海・地中海 日本のオオニベは学名Argyosomus japonicus
Ombrine Corb イシモチ Umbrina cirrosa 大西洋・地中海 イシモチのうち、主に地中海産の一種。 最大1m。
Sciaenidés Croaker
Drum
イシモチの一般名称 SCIAENIDAE 全世界 種類が多く、日本のイシモチ、ニベも含む。Courbineとも呼ぶ。


Maigre (ジュネーブ)


ニベ(
Argyosomus nibe)(99/9/24 久慈川河口)