Sabre タチウオ スズキ目タチウオ科 春と秋(秋)
価格帯:7-9eur/kg

タチウオは日本では夏から秋に塩焼きで食べると美味しい魚で、特に関西で人気がある魚です。日本でも、関東の人には余り馴染みがないようです。身体が刀に似ているから「太刀魚」と言われるようになったというのが普通ですが、立って泳ぐから「立ち魚」となったという説もあります。

この魚、全世界に分布しているのですが、それが同種なのか、別種なのかなど、詳しい分類がまだ確定していない魚です。日本近海でも体色や産卵期などが異なる数群が知られています。しかし、魚屋で、このような細かい違いを区別するはずも無く、タチウオは世界中で「太刀魚」の名で親しまれています。

太刀魚の表面が銀色なのはうろこが無く、体表面のグアニン質が直接見えるからですが、鮮度が落ちるとこの銀の部分が臭みの原因となります。新鮮なものの刺身は美味なのですが、パリで入手できる太刀魚は刺身にはちょっと向かないようです。どうしても刺身にしたい場合は、新鮮なものを手に入れ、銀色の部分をたわしや包丁などでよく落としてから食べるようにしましょう。

脂の乗った太刀魚の塩焼きは、この魚にしか出せない独特のうまみを持っています。ムニエルにも向いています。下ごしらえの段階で、背びれの両側に包丁で切り込みを入れ、背びれを骨ごと取り去っておくと食べやすくなりますが、太刀魚の種類によっては、この背骨の付け根が大きく膨らんでいるものもあります。その場合は、とらなくても大丈夫です。

なお、体型が太刀魚に似て赤い身体をしたDemoiselle(アカタチ)もまれに市場に出ていますが、スープ用の雑魚に混ざって売られている程度です。

仏語名 英語名 日本名 学名 分布 コメント
Demoiselle Snake eel アカタチ Cepola macrophthalma 地中海・大西洋 別名Cépole、Ruban。Serpentonとも呼ぶことがあるらしいが、それがアカタチ科の魚かどうかは不明。ウミヘビ科(OPHICHTHIDAE)の魚かもしれない。
Sabre Cutlassfish タチウオ Trichiurus spp. 全世界 種類が多いがフランスでは大型が多い。

Demoiselle


タチウオ(97/9/6 鹿島港北新堤)