98年5月30日(土曜日) 鹿島港

今日は皆さんの情報を頼りに、鹿島港のアジ調査をすることにしました。皆さんの情報によると、アジが釣れているのは、主に鹿島港内の公共埠頭やラジオポート、それに南堤ですよね。しかし、北新堤防のアジ情報もありましたし、きむさんと私は昨年北新堤でサバの大歓迎に会った思い出があり、今年もサバに会いたいと、取りあえず北新堤に行くことにしました。もちろん、夜は南浜のイシモチも調査する予定です。

土曜は午前中私に用事があったので、午後2時過ぎにきむさんと合流して筑波発。途中、筑波の上州屋でアミコマセを買います。1ブロック250円ですから、現地で買うより安上がりですし、到着までに少し融けてくれるので、ちょうど良いのです。ちなみに、イシモチ用の青イソメは鹿島釣り餌センターで買いました。ここの青イソメは600円と、少し高いのですが、量は値段の差以上に多いので、沢山使うときはお得です。

北新堤到着は午後4時。車の数はだいぶ多くなってきました。堤防まで歩いていくと、魚が釣れています。アジかな?と期待して見に行くと、なんとイシモチです。北新堤では珍しく、投げ釣りでイシモチが内側で結構釣れています。サイズは20cmクラスですが、一人2〜3匹は釣れていました。

さて、我々も堤防真中辺りで釣り開始です。今日はアジ狙いですから、当然浮きサビキですが、サバがいるかもしれないので、タコベイトを付けた投げサビキもしてみました。しかし、まだサバは来ていないようです。浮きサビキの方も、しばらくは音沙汰が無かったのですが、きむさんのサビキに魚が掛かります。

「釣れたの?」

「サッパだよ」

「サッパかあ」

「サッパは要らないから捨てちゃお」

きむさんはサッパはリリースです。私の方にも1匹掛かりました。私はサッパのまともな写真が撮りたかったので、取りあえずキープです。

その後もサッパが続きます。

「サッパしか来ないねえ。」

「これどうやって食べるの。」

「酢漬けが普通だけど、空揚げでも食べられなくはないよ。大きければ塩焼きがうまいらしいけど。」

「ママカリだよね。作ってみようかな。」

「そうだね。じゃあ、少しキープしよう。」

ということで、少し持ち帰ることにしました。でも、そう決めたとたん当たりが途絶えます。

「あれ? キープしようと思うと釣れないね。」

「きっと群れで廻ってるんだね。また来るさ。」

と言っているうちに、来ました。サッパです。夕マズメで相当活性が高くなっており、サビキを投げ込むと、その周辺でライズが起こるほどです。サッパが次々に釣れます。きむさんは6本針に6匹のパーフェクトまでやります。あまりに釣れるので、途中から大きいのだけにして、小型はリリースしましたが、それでも、どんどん釣れます。

サッパの当たりは弱く、浮きを引き込むようなことは希です。おかげで、気づかぬうちに仕掛けをぐちゃぐちゃにされてしまうことも多く、サビキ仕掛けが無くなっていきます。

しばらくはサッパとの戦いが続きます。しかし、突然、浮きがきれいに消し込みます。

「あれ?まともな当たりだ。」

上げてみると、3匹の魚のうち、1匹が待望のアジでした。でも情報にあった25cmクラスではなく10cmほどです。

「きむさん、アジが釣れたよ。小さいけど。」

「ほんとだ、小さいね。」

でも、アジが釣れることが分かったので、さらに釣りつづけます。それを見た左側の御夫婦の奥さんが、声を掛けてきます。

「アジですか?」

「ええ、1匹はアジです」

「棚はどのくらいですか?」

「より戻しまで一ひろ半くらいですよ。」

「じゃあ、おんなじだねえ。どうして釣れないんだろう。」

我々や、我々の右隣の御夫婦はどんどん釣っているのに、その方は、サッパも釣れないので、悩んでいたようです。

「ちょっとここで釣らせてね。」

「どうぞ。」

ということで、我々と、右隣の御夫婦の間に入ってやっとサッパを仕留めました。しかし、どうも遠投距離に問題があって、あまり釣れないようです。我々は20メートル位沖に投げているのですが、その方は10メートルくらいしか飛ばせないのです。

さて、アジはポツポツしか掛かりませんが、サッパは山のように釣れます。まるで海の中がサッパだらけになったかのようです。これでは、仕掛けがアジまで届きません。釣れたサッパをどんどんリリースしていたら、こんどは右の御夫婦の奥さんが、声を掛けてくれます。

「それも甘煮にしたら美味しいよ。」

「甘煮ですか?やってみようかなあ。」

「まず空揚げしてからね。」

「じゃあ、南蛮漬けみたいなもんですか。」

「そうそう。」

「ああ、南蛮漬けか。いいなあ。」

急に南蛮漬けが食べたくなり、それからしばらく、また少しサッパをキープします。きむさんは既にキープ量を達成し、休憩状態です。

「サッパの活性が高すぎるから、ちょっと休むね。」

「そうだね。もう少し暗くなったらサッパは食わなくなるから、その時が勝負だよ。」

そう言っているうちに日が沈み、突然にサッパが食わなくなりました。さあ、アジタイムと思ったのですが、アジも来ません。たまに1匹だけ釣れるのですが、本当にポツポツという感じで、数が伸びません。結局8時までやって、10匹釣るのがやっとでした。ちなみに、アジとサッパ以外に、1匹だけ、カタクチイワシも釣れました。

ところで、今日はスキンサビキとハゲ皮サビキを試してみましたが、サッパはどちらでも掛かりますがアジはスキンサビキには掛かりませんでした。アジがサビキの好みが激しいのは有名ですから、もしかしたら大型のアジもいたけど、上州屋の安売り仕掛けが口に合わなかったのかもしれませんね(^^;;;

「駄目だね。もうやめて、南浜に行こうか。」

「そうだね。アジは駄目だったねえ。」

「きっとあっちの明かりに寄っていったんだよ。」

堤防の先端の方では、発電機を持ち込んで海面を照らしながら釣っているグループが沢山います。夜になると、どうしても、この点灯グループには勝てませんね。

竿を片づけていると、北新堤に到着直後にもお会いした工業技術院の関口さんがちょうど通りかかりました。

「どうでしたか?」

「サッパばっかりで、アジはあんまり来ないですね。」

「あの明かりの辺りは釣れてましたよ。」

「ここでも10数匹は釣ったんですけどねえ・・」

関口さんの方は、ソイ狙いに来ているようですが、この時点ではまだソイは釣れていなかったようです。釣れたら、情報、よろしくお願いしますね。

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さて、我々は荷物を片づけ、次のターゲットである南浜に向かいます。まずは定石通り?偵察です。しかし、まず驚いたのは、波が高いことです。北新堤防では、海が荒れているとは感じなかったのですが、ここは間違いなく荒れています。海面は泡で白くなっています。釣り人は相変わらず多いのですが、あまり釣れていないようです。どの場所で聞いても、ポツポツだね、という返事しか返ってきません。

結局、今日はどこで竿を出しても同じだという結論に達し、人の少ない堤防に入りました。私は、ほぼ貸し切り状態の南側に、きむさんは、少し人のいる北側に入ります。ただ、この堤防、テトラの形が悪く、相当釣りにくい場所です。波も高く結構恐いので、私は堤防の上からテトラ越しに釣ることにします。取り込むときだけテトラの上に乗るスタイルです。

開始直後、25cm超が釣れます。その後も20cmクラスが2匹。これは好調!と思ったのですが、ここで、ぱったり当たりが止まります。その後は20分に1回くらい魚がまわって来るようで、その時だけポツポツと釣れて、あとは釣れない状態が続きます。

私は堤防上から釣っているので、結構途中のテトラに糸が引っかかります。このため、根掛かりで浮きを取られてしまいました。さらに、釣れた魚を取り込むために、テトラの上にあがった帰りに、テトラでこぶしをこすってしまい、中指、薬指、小指の第二関節の外側がひどく破れます。血がぼたぼたと垂れますが、そこは血に慣れた?私のこと、気にせず釣りを続けることにしました。ただ、テトラの上にあがるのはやめて、取り込みも堤防上からすることにしました。おかげで、今度は釣れた魚がテトラのあいだに挟まれて、取り込みに失敗することが多くなります。失敗3匹目は相当大物の感触だったのですが、このときには浮きまでテトラに取られ、本日2つめの浮きロストです。

これで、ほぼ戦意喪失。青イソメも残り少なくなってきたので、取りあえず安い電気浮きを付けて、安全な場所で釣りますが、釣れません。結局青イソメが無くなり、午前1時過ぎに納竿しました。

きむさんはといえば、途中までは苦戦していたようですが、徐々に調子を上げ、相当な数を釣ったようです。サイズも後半はだんだん良くなってきたようです。ただ、きむさんはテトラの上から釣っているので、大波が来ると、頭から水を被ったりしていたようで、ちょっと恐いですね。私は納竿後、しばらくきむさんの見学をしていたのですが、釣りをしないと寒さが身にしみるので、結局先に車に戻ることにしました。きむさんは奥さんから「敵前逃亡禁止命令?」が出ているので、最後の1匹(の青イソメ(^^))まで粘るようです。結局2時過ぎにきむさんも納竿し、筑波に帰りました。

結局私の釣ったイシモチは約20匹で、25cm超が3匹、あとは概ね20cmクラス、15cmサイズが3匹ほど混じりました。きむさんも20匹ほどですが、30cmクラスも3匹釣ったそうです。今日は波が高かったので釣りにくく、苦しい釣りでした。釣れる量も減ってきたようです。これからは、サイズを狙うなら、投げ釣りの方が良いかもしれませんね。

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ところで、これだけ魚を持って帰ると、料理は大変です。釣り人の責任として、我が家でも釣ってきた魚の料理は私の仕事です。今回は、空揚げ(アジ、サッパ、イワシ、イシモチ)、南蛮漬け(アジ、サッパ、イシモチ)、合わせ酢漬け/ママカリ(サッパ)、刺身(イシモチ)、干物(イシモチ)の5種の料理を作りました。あゆみも手伝ってくれましたが、全部で約70匹の魚を捌くのは大変でした。やっぱり、大物1匹の方がいいなあ・・・

ちなみに、サッパの南蛮漬けは、それなりに美味しかったのですが、やはりアジの南蛮漬けにはかないませんね。ママカリ酢漬けは、結構美味しくて、嬉しかったです。

さて、来週はあゆみとのお手軽釣りになりそうです。再来週以降、しばらく釣りに行けないので、来週はどうしようかなあ・・・

では

 

(タイトルの、「海の中はサッパの絨毯」は、前にAFISのBBSの管理人をしていたカエルさんのお得意フレーズ:「海の中はお魚の絨毯」のパロです。勝手にパロってごめんなさい。ー>カエルさん。)