98年11月8日(日曜日) 日立港
日曜朝、予定通り6時に起床し、あゆみをたたき起こします。
「おーい、行くぞ。」
「えー、もう行くの? 今何時。」
「6時10分だよ。着替えておいで。暖かくしておいでよ。」
「うん。ねえ、今日石炭置き場(日立港第一埠頭のこと)行く?」
「ううん。今日は大洗だから行かないよ。」
「じゃあ、この新品の靴でも大丈夫だね。」
「うん。それでいいよ。」
「今日はシャコ釣るぞ。10匹目標だ。」
「ふーん。がんばってね。パパはヒラメとカレイだ。」
などと威勢のいいことを言いながら、6時40分に自宅を出発。途中ローソンで昼食を買って、きむさんの家へ向かいます。で、きむさんの車に荷物を載せ換えて、出発は7時15分頃でした。
「さて、じゃあ、とりあえずフィッシュオンに餌買いに行く?」
「うん、そうしよう。」
ということで、とりあえず平磯のフィッシュオンを目指します。あゆみはすぐに睡眠モードに入ります。
岩間のインターチェンジを降りて、県道43号で国道6号へ出て、今度は県道40号に入ります。この辺りで、ふと別のアイディアが思い浮かびます。
「きむさん、今日はフィッシュオンじゃなくてフィッシィング大洗に行ってみない?」
「ああ、雨海さんのところね。」
「うん、一度も行ったことないから、一回行ってみたいんだよね。」
「あれって、51号左だっけ?」
「うん。ちょっと水戸側に戻ったところ。確か前に一回前を通ったよね。」
「そうだね。じゃあ、行ってみる? AFISの宣伝しなくちゃね。」
ということで、突然予定を変更してフィッシング大洗店に行くことになりました。
フィッシング大洗店は県道40号と国道51号の交差点から水戸方面に数百メートル行った右側にあります。店も駐車場も結構広く、とてもきれいでした。おまけに美人のお姉さんが綺麗に店内をお掃除してました。(お姉さんのお写真です。もっとよく見たい人はお店に行って見ましょうね。(^^))
ここで、青イソメと赤イソメを買います。ここの餌は青イソメが太目と普通の2種類あって、選べるのがGoodでした。
「こんにちは。雨海さんって、いらっしゃいますか?」
「ああ、いますよ。」
すぐに奥から雨海さんが出てこられました。事務所でパソコンを触っていたそうです。髭のsinjiさんのヒラメ情報がAFISに載っていたようで、ちょうど印刷したものを見せていただきました。で、挨拶をして、いろいろ情報を教えていただきました。どうもありがとうございました。
雨海さんの話では、波3メートルだと新堤は危ないとのこと。そこで、とりあえず中堤防から状況を見て釣り場を決めることにしました。ついでに中堤防のポイントも教えていただきました。
さて、中堤防に到着して新堤防を見ると・・・・驚いたことに完全に波が堤防を越えています。あれではとても入れません。そのせいもあってか、中堤防は満員です。もちろん雨海さんに教えていただいたポイントもたくさん人が入っていて。とても3人が竿を出す余裕はなさそうです。
仕方がないのでとりあえずきむさんと二人で偵察して回ると、中堤防の先端付近で、30センチクラスのカレイが1匹バケツに入っていましたが、他はめぼしい釣果は見られませんでした。
「どうする? 場所無いね。」
「日立に行こうか。」
「そうだね。ここがダメなら日立しかないね。」
と、相談しつつ車まで戻ると、車の中で熟睡していたあゆみが起きてきました。
「あ、起きたの? いなくてびっくりしたでしょ?」
「うん。」
「ここ人でいっぱいだから日立に行くよ。」
「ふーん。」
「あゆみちゃん一人くらいなら入れそうだけどね。」
「日立でいいよ。私シャコ釣る。」
「うん、そうしな。」
ということで、日立に向かいます。日立到着は9時。とりあえずヒラメとカレイとシャコが狙える場所ということで、第一埠頭の南側に入ることにしました。ここは昨年秋にあゆみがヒラメを逃がしたところです。行ってみると南側は結構すいています。でも、先端は一杯です。とりあえず南向きに荷物を置いて、先端を見に行きました。すると、先端で釣っていた方が声をかけてくれます。
「あれ、ホームページ作ってる・・・・」
「ええ、江藤です。こんにちわ。」
「こんにちわ。先日もお見かけしたんですけど、声かけていいもんかまよっちゃって。」
「そうですか。いつでも声かけてください。」
「じゃあ、そちらがあゆみちゃんですか。」
「ええ、そうですよ。ほらこんにちわ。」
と言っているところで左のほうで何か釣れたようです・・・・と思ったらお祭りでした。外が荒れているため、港内も相当な流れで、錘が流されやすいようです。このお祭り騒ぎもあって、せっかく声をかけてくださったのに、あまりお話できませんでした。また見かけたら声を懸けてくださいね。
外海は大荒れのようで、沖堤防は波が超えてナイアガラの滝状態です。第一埠頭と沖堤防の間も相当な流れができています。
とりあえず、あゆみの竿を2本、シャコ用にセットします。それから私はまずヒラメ用に2本の竿を準備します。それを投げ込んだ後で、カレイ用にさらに2本竿を出します。ちょうどそのころ、先端部で釣っていた人が、たてつづけに2枚30センチ以上のカレイを上げました。
「カレイが来てるね。」
「ほんとだ。」
しかし、釣れているのは先端だけです。でも先端には空きがありません。仕方がないので南の角から斜めに投げてみますが、だめです。
あゆみのほうはしっかりシャコを釣り始めます。時々ハゼやアナゴも交えながらも着実にシャコを釣っていきます。
「パパ。せっかくザリガニとって来たんだから、これも使おうよ。」
「O.K.」
早速ザリガニ用のぶっこみ竿を作ります。あゆみはこのザリガニ竿が気になって仕方がないようです。何度もこの竿を上げますが、当然何も釣れていません。
「あゆみ、その竿は大物しか食わないから、食えばすぐわかるよ。」
「いいの。ザリガニが生きてるかどうか見てるんだから。」
等と言っていましたが、しばらくするとこの竿は忘れ去られてしまいました。
南側の沖は鉛筆アナゴの巣のようです。アナゴが釣れると仕掛けがぐちゃぐちゃです。おまけに釣れないときでも仕掛けがぐちゃぐちゃになって帰ってくることがよくあります。一旦かかって、仕掛けをぐちゃぐちゃにして逃げて行くようです。シャコも1匹だけ釣れました。
先端では、先ほどと違う人が、またカレイを上げました。さらに別の人のバケツの中には、40センチ級のマゴチと30センチ弱のカレイが入っています。間違いなくカレイは相当数上がっているようです。ただし、カレイを上げているのは、100メートル以上の遠投ができる人だけのようです。やはり第一埠頭から船道を狙うには、その程度の遠投力は必須のようです。
しばらくすると、朝私たちに声をかけてくれた方が帰り支度をはじめます。そこで、早速そのあとに入ることにしました。これで先端部の釣り座を確保です。カレイ竿はすべて先端方向に投げることにしました。しかし、先端で投げたからといって釣れるものではありません。おまけに結構流れが速く、隣の人とのお祭りも頻発します。
この場所で最初に釣果を上げたのはきむさんです。獲物はなぜかイシモチ。イソメ餌に食ってきたそうです。やはり流れで相当水が濁っているのでしょう。しかし、イシモチはこれ1匹で終わりました。その後は沈黙が続きます。南側で釣っていたあゆみはシャコがポツポツとしか釣れないので、とっくに飽きて、犬に餌をやったり、カサガイを指にくっつけて遊んだりしています。ちょうどお昼時になったこともあり、ここで昼食時間としました。
昼食後、あゆみさんも先端部で投げ始めました。
「あゆみ、先端はシャコはいないと思うよ。」
「いいの。」
「じゃ、他の人と絡まないようにね。」
と言ってるそばから私の竿に絡ましたりしていますが、何とか真っ直ぐ投げることができたようです。
この竿にシャコが1荷でかかります。
「やった、シャコ2匹Getだぜ。これで目標まであと2匹だ。」
あゆみさんはシャコ釣りが一番好きなようで、一荷で釣れたことで、急に元気が出たようです。目標の10匹に向けて着実に進んでいます。
「あと1匹だ!!」
またあゆみがシャコを釣ります。そして・・・
「あれ?また2匹釣れちゃった。目標達成!!」
景気のいいあゆみの横で、私ときむさんは音無しです。時々忘れたころにチビアナゴやハゼが釣れるだけです。私はサビキも試してみますが、何も釣れません。しばらくしてあゆみがザリガニの竿を上げようとします。
「パパー、ザリガニの竿むちゃくちゃ重いんだけど。」
「魚じゃないなら蠣殻かなんかだよ。」
「あーヒトデだ。ヒトデがザリガニ食ったんだ。」
ザリガニ君はきっちりヒトデに食べられていました。
「ヒトデがザリガニ食うことが分かっただけでも勉強になったね。」
「そういうのって、勉強って言うの?」
「これも勉強のうちさ。」
「ふーん。まあいいや、次のザリガニつけて。」
「はいはい。」
ということで、次のザリガニを付けて投げこみますが・・・・・これもヒトデの餌食になりました。(^^;;;;
しばらくして、あゆみが呼びに来ます。
「パパ、きむさんが来てって。」
「何?魚?タモ持って来いってこと?」
「うーん。わかんない。でも呼んでるよ。」
「じゃあ、見に行くか。」
きむさんの竿には何か掛かっているようです。でも、魚ではなさそうです。で上がってきたのはイシガニでした。
「お、タコ釣りの餌ができたぞ。」
きむさんは早速タコ釣りに参入です。タコテンヤにカニをくくりつけ、堤防際を探ります。でも、結局タコは釣れなかったようです。
さて、そろそろ餌もなくなってきたので、きむさんと三時に終了ということに決めます。で、三本のカレイ狙いの竿に餌を付け替えます。狙いは4色先の潮目です。全部を投げこんで糸ふけを取り、一旦ヒラメ竿を片付けに戻ります。ヒラメ用の竿を片付けてから、カレイ狙いで投げていた竿のうちの1本を上げようとすると、ビクンという当りがあります。
「お、魚かな・・・・・・あれ?違うかなあ・・・・・・」
私の竿の曲がりにきむさんとあゆみが注目します。
「何? 釣れてるの?」
「・・・・・違うみたい。最初ちょっと当りかなっていう感じがしたんだけど・・・」
「なーんだ。違うときは早く言ってね。みんな期待してるんだから(^^)」
「うん。でもゴミみたい。魚の感触がないよ。」
あゆみもやってきます。
「パパ、どうしたの?」
「ゴミが釣れたみたい。」
「ふーん。魚じゃないの? まあ、ゴミでもタモ準備だ!」
あゆみはタモを持って構えています。手応えはまさにゴミですが、だんだん重くなります。
「うん。これはごみかなあ・・・・あ、分かったぞ。これはきっと誰かの糸を引っ掛けてるんだ。」
案の定、天秤に赤い糸が絡んであがってきました。しかしその先に一瞬カレイの姿が見えます。
「あ、魚だ。釣れてる。」
「カレイだ〜。私タモ苦手だよ〜」
きむさんがあゆみからタモを受け取って、タモ入れをしてくれます。このカレイ、引いてくる途中は全く抵抗しなかったのに、足元で2度ほど強い突込みを見せます。しかしこれをかわして、きむさんがタモに入れてくれました。40センチ近いマコガレイです。
「やったー、パパやったね。カレイだ!!」
「うん。やったね。」
「これで今日のおかずはばっちりだね。カレイの刺身と、シャコ。シャコは一人4匹だよ。ところで、それ何センチ?」
「うんとね〜 38センチかな。」
「惜しい。40センチなかったの。でも美味しいそう。」
このカレイのお陰で、何とかパパの面目が保てました。あゆみさんは結局最初の目的どおり、14匹(自分で釣ったのは12匹)のシャコを確保しました。先端部に来てからは、ほとんど毎投シャコを釣り上げてましたので、隣の人達が感心?していました。
結局三時を過ぎたところで餌もなくなったので、納竿としました。
ところで、我々が退いた後に入った人達にも、すぐカレイが来ました。でも遠目で見ると黒い模様が・・・ヌマガレイのようです。行ってみると、間違い無くヌマガレイ。でも40センチ近い良型でした。やはり今日は外が荒れているので相当のカレイが中に入ってきているようです。
但し、これがカレイシーズン幕開けかどうかは不明です。2〜3日荒れが続いたので、外のカレイが入ってきただけで、海が静かになればまた出て行っちゃうかもしれません。しかし、いずれにせよカレイシーズンは近そうです。
帰りに日立お魚センターでタコを買って帰りました。家に帰ったところであゆみさんから命令が出ます。
「パパ、今日は石炭のところに行かないって言ったよね〜〜」
「だって、大洗がダメだったから仕方ないじゃん。」
「でも、おかげで靴が真っ黒だよ。ズボンも。ママに怒られちゃうでしょ。パパ洗ってね。」
「はいはい。仕方ないなあ・・・」
結局靴洗いと洗濯をさせられて、今日の釣りは終わりました。カレイは自宅で測ったら37センチに縮んでました。で、お刺身で食べました。美味しかったよ。
では。