2005年4月8日 金曜日 

イシモチ調査

桜が咲き、春が来ました。例年、桜前線とともにやってくるイシモチも、そろそろです。昨年は絶不調で、5月になってもイシモチの声を聞かないという状況でしたが、今年はどうなるでしょうか。ともかく、春一番のイシモチを探しに、金曜の夕方から出発することにしました。

「今から釣りに行って何時に帰ってくるの?」

「イシモチがいたら夜中に帰るけど、居なかったら明日の夕方。」

「なにそれ、もっと早く帰っておいでよ。明日は花見日和だよ。」

「イシモチが居ればいいんだけどねえ。」

と、家内に言い残して出発です。

まずは餌屋さんで調査です。

「いらっしゃい。何にします。」

「イシモチは来ました?」

「まだ話は聞きませんねえ・・・」

「そうですか・・・・じゃあ、赤1、青3でお願いします。」

「あさひの方でポツリと上がったという話は聞きましたけどね。」

「今年も遅れるんですかねえ・・・」

ということで、餌やさんの情報では、芳しくありません。それでもとりあえず調査続行です。

釣り人がいない、イシモチもいない

イシモチ釣り場に到着しても、誰もいません。全く釣り人がいないということは、釣れていないと言うことなのでしょう。それでも、一応釣ってみることにしました。

釣り場に入り、まずは浮き釣り仕掛けを作ります。これでしばらく探りますが、あたりはありません。仕方ないので、投げ釣り仕掛けを4つ作り、あちこちに投げ込んで鈴を取り付けてみますが・・・・・なんと、鈴は一度も鳴ることのないまま一時間経過しました。これで、イシモチがいないことははっきりしたので、諦めることにしました。

カレイ狙いに変更

イシモチがいないことを確認した頃、家内から電話です。

「パパ、釣れた?」

「釣れない。イシモチいない。仕方ないから釣り場を移るよ。」

「そこに行ったら居るの?」

「いいや、狙いも変わるんだよ。カレイとアイナメね。」

「え〜アイナメ、もういらない。カレイの塩焼きが食べたい。」

「ええ?カレイ? 釣れるといいねえ・・・」

「あと、明日のお昼、花見用の弁当予約したから、お昼までには帰ってきてね。」

「ええ?昼までなの?それじゃあ、たいして釣れないじゃん。」

「夜からずっと釣ってるんだからいいでしょ。」

ということで、土曜の昼までに自宅に帰ることになりました。当初はイシモチが居なかった場合、車の中で仮眠して朝からカレイ狙いの予定でしたが、そうなると、ゆっくりしていられません。そのまま夜釣りに突入することにしました。

釣り人がいない、魚はいるけど・・・

とりあえず、一旦携帯の電波が届くコンビにまでもどり、きむさんに状況をメールした後、釣り場近くの駐車場まで到着して、今から釣ってもなあ・・・と悩んでいると、地元の方が様子を見に来ました。

「これから釣りかい?」

「ええ、でも、今行っても早すぎるかなと思って・・・イシモチがいなかったんで、時間が余っちゃって。」

「イシモチは20日過ぎじゃないかな。」

「そうですか。年々遅くなってますよね。」

「そうだね。フッコならいるんじゃない?」

などと、いろいろな情報を頂きました。30分位は話していたでしょうか。そんなこんなで、釣り場到着は午前0時頃でした。勿論釣り場には誰も居ないので、いつもは混んでいる堤防先端左端の角にしっかり陣取ります。しかし、こんな季節に、こんな時間に、この場所で釣ったことは一度もないので、何が釣れるのか全くわかりません。ともかく一般的仕掛けを作って投げ入れて見ます。

1本目の竿を作り、投げ込み、鈴をつけてから2本目の竿を作り始めると、早速鈴が鳴ります。小さなあたりで、何度も当たります。上げてみると・・・・ドンコでした。確かに、夜中にこの場所でこの時期に釣れるとしたら、ドンコしかありません。

この後、ドンコの猛攻にあいます。3本目の竿を出す余裕はありません。次々にドンコが釣れます。大きなものは30センチクラスのものも釣れましたので、一部はキープしましたが、このまま釣っても釣り過ぎるので、休憩することにしました。

2時半過ぎ、満潮時の高波を警戒して、竿から離れたところで休憩していると一人の釣り人が到着です。そこで私も竿の様子を見に行くことにしました。

「この竿当たってるみたいですよ。」

「ああ、ドンコですよ。さっきからドンコの猛攻にあってるんです。」

「サイズはどうですか?」

「大きいのは30センチサイズが釣れますよ。」

「それならいいですね。」

「そちらは何狙いですか?」

「カレイです。」

「カレイって明るくならないと釣れないのでは?」

「カレイは夜は動いてるんですよ。」

「へえ・・・」

ということで、竿を並べて釣りを続けますが、やはりドンコの猛攻が続きます。稀に鋭い当たりが来るのですが、これは直後に穴に入られて根掛りになるので、多分メバルかソイでしょう。しばらく置いておいても出てこないので、強引に引いて仕掛けを失うことになります。そこで、これを釣ってやろうと、手持ちで狙ってみましたが、うまくあわせることができませんでした。

MTさん到着

5時近くなり、そらが明るくなってきても、まだドンコの攻撃は続きます。釣り人も、ポツポツと増えてきました。で、いつもの毛糸の帽子でMTさんも到着です。

「おはようございます。」

「やあ、来てたの」

「ええ、イシモチ釣れなかったんで。」

「いしもちいなかった? こっちはどう?」

「さっきから、ドンコが山のように釣れます。」

「へえ、最近ドンコは釣れなかったのに、今日はドンコの活性が高いんだ」

ということで、MTさんも参戦です。しかし、やはりドンコ以外は釣れません。そのうち完全に明るくなり、ドンコも釣れなくなって来ました。

MTさんが到着されて、廻りにいた他の釣り人の何人かが、名前を知っている方だということが判りました。堤防に深夜に到着された方が高橋さんのメーリングリストで名前をいつも拝見していたogaさんでした。

やっとアイナメ・・・

明るくなってくると、ドンコの代わりにヒトデの猛攻が始まりました。竿を上げると重い・・・でも抵抗しない・・・と、感触はドンコと同じですが、魚じゃないので、ドンコよりも悲しいですね。そんな中、かなりの重さと、アイナメ独特の首振りが伝わってきました。しかし、首振りは、重さに似合わない小ささです。案の定、上がってきたのは30センチ弱のアイナメとヒトデの一荷でした。

アイナメはいらないと言われていましたが、このままでは釣果がドンコだけになってしまうので、これはキープします。その後、ポツポツと、15センチクラスのアイナメは掛かるようになりましたが、サイズアップしません。ほとんどの釣果はヒトデで、みんなで、「ヒレのついたものが釣りたい」と嘆く状況でした。

 その後、これもヒレはついていないものの、良型のナマコが釣れました。MTさんや、周りの釣り人から、それは美味しいからヒトデよりずっといいと言われたのですが、これまでナマコは持って帰ったことがありません。どうしようかなと思っていると、ogaさんがナマコ大好きとのことで、貰ってくださることになりました。

ogaさんとは、ヒトデを食べる話も話題になりましたが、さすがにこれは誰もまだ試していないようでした。

カレイ出現

ともかく今日は、アイナメさえほとんど釣れない不思議な日でした。大潮のためか、流れも速く、その上流れる方向が一定でないのです。突然右に流れたり、左に流れたり、一時間ごとに流れる方向が変わります。ということは、この流れが変わる瞬間に時合いがあるはずです。

7時過ぎ、一本の竿にいつも通りの重みがあります。またヒトデだと思っていると、途中で潜ろうとする引き込みが伝わってきました。これはアイナメではありません。慎重に上げていると、近くにいたMTさんが覗きに来ました。

「何か着いてるの?」

「ええ、アイナメとはちょっと違うようなんですよね」

「あ、カレイだ」

姿を見せたのは、小型ながらも、久々の「平べったいやつ」でした。このサイズならと抜き上げます。30センチ弱の塩焼きぴったりサイズでした。

「これで来た甲斐があったね。」

「そうですね。アイナメ持ち帰り禁止だったので、カレイが釣れて良かったです。」

これで塩焼きのカレイも手に入れたので安心です。ゆっくり針を外し、血抜きをしていると、隣の竿が、その隣の人とお祭りしてしまったようです。糸がふけたので、これを巻き取っていると、なぜか先端が泳ぎます。

「あれ?これも何か釣れてる。あ、カレイだ。」

横に泳ぐ元気な25センチ強の小型カレイでした。塩焼き・煮つけにぴったりサイズです。やはり、時合いが来るとパタパタと釣れるのがカレイの特徴ですね。

その後また流れが早くなり、ほとんど何も釣れなくなります。たまに掛かるのは小型のドンコとアイナメです。これらは全てリリースしますが、25センチほどのアイナメが一匹針を飲み込んで救命できなかったので、これをキープします。

堤防上はヒトデの山です。12時までに家に帰るとなると、9時には納竿を開始し、10時には出発していなくてはなりませんので、時間が余りありません。でも、塩焼きカレイを確保したので、ちょっと安心です。

8時半過ぎ、50メートル程左にいた人がカレイを上げました。さらに遠くでタモが出ています。見に行った人の報告では、43センチのカレイが上がったようです。これは時合いが来ているということで、餌を新しいものに全部付け替え、投げ込みます。

しばらくすると、一本の竿先に当たりが出ます。小さなあたりですが、明確なあたりです。これに合わせると、乗りました。なかなか良い重さで、軽く抵抗しつつなかなか浮かんでこないので、これはカレイだと確信します。慎重に浮かせていると、隣でチアユ狙いをしていたogaさんが気づきます。

「何かついてるんですか? あ、カレイじゃないですか。」

「そんなに大きくないから抜けるかな。」

「タモがあるなら入れましょうよ。」

「じゃあ、そこにあるので、お願いします。」

ということで、ogaさんがタモ入れをしてくださり、3匹目のカレイが上がりました。これは34センチで、肉厚の美味しそうなカレイでした。

「いい型だね」

「これで家族三人分釣れたので満足です。」

「じゃあ、他のは釣らずに置いていってね(笑)」

と、こんなときは一匹でも魚が釣れると廻りも活気付きますね。

この時合いでは、もう一匹カレイが釣れたのですが、こちらは仕掛けがなくなったので仕方なく使っていたシャコ仕掛けに掛かった掌サイズでした。

「おお、急激なスケールダウンだね。」

「でもヒレがついてる(笑)」

このチビカレイ、バケツに泳がしておいたところ、元気になったのでリリースしました。 

その後は流れがさらに複雑になり、お祭りが頻発します。お祭りがあると、どうしても仕掛けを引き摺るので、根掛りしてしまいます。今日は仕掛けを6つ9個ほどロストしたでしょうか。でも自分で一つ、MTさんが一つ釣り上げてくださったので、差し引き7つです。MTさんは、高切れしたPE糸も一緒に釣り上げてくださったので、復活させることができて、大収穫でした。

結局、仕掛けを根掛りで無くすたびに一本ずつ納竿として、9時過ぎに全ての際を終了させました。

本日の持ち帰りは、カレイ3匹(34、29、26)、アイナメ2匹(29、25)、ドンコ5匹

カレイは予定通り塩焼きになりました。よかったよかった。

ドンコは、今回は食べるのが翌日になったので生食は中止し、肝入りサンガにしてみました。これがとっても美味しくて、あゆみに大好評でした。アイナメはきむさんお勧めのフライにしたところ、これも上品な美味しい魚フライになりました。

イシモチがいつ来るかですがですが・・・・・帰りにイシモチ釣り場の横を通ってみると、何人か釣りに来ているようでした。釣果があったかどうか知りたいところですが・・・・来週はまだ無理そうなので、再来週あたりにまた調査に行きたいと思います。